2018年11月21日

ポンペイの落書きで2000年前の一般人の日常生活を知る。『ポンペイ・グラフィティ』

CIL IV 10237
CIL IV, 10237 [Public domain], via Wikimedia Commons

79年に起きたヴェスヴィオ山の大噴火で灰に埋もれてしまったポンペイから発掘された、落書きの数々を紹介して解説してくれる本を読みました。



名もなき一般市民の生の声を間近で聞いているようで面白かったです。
有名どころの皇帝や側近にスポットライトが当たる、一般的な歴史モノの本や映画などでは、脇役の人たちがどんなことを考え、どんな生活をしていたのかいまいちよくわからなかったのでとても新鮮でした。
身なりや食べ物は違っても、2000年も前から庶民の本質的な部分は対して変わっていないのだな、と思いました。

くすっと笑えたものを数点抜き出してみます。

数ある落書きの中でも公職選挙に関わる落書きはひときわ目立っていたのだそう。
「トレビウスを造営委員に選出するように菓子作りたちは推薦する。」
「エピディウスとスウェッティウスを二人委員として養禽業者は推薦する。」(P.41)
など、同業組合からの推薦が数多く書かれている中で面白かったのが、
「M=ケッリニウス=ウァティアを造営委員としてすべての深夜飲酒族は推薦する。フロルスがフルクトゥスとともにこれを書く。」
「ウァティアを造営委員としてすべての朝寝坊族は推薦する。」(P.45-46)
挙句の果てに
「ウァティアを造営委員としてこそ泥仲間は推薦する。」(P.46)
というものまであり、
まるで泥棒たちに推薦される警察署長という趣きである。ウァティアはよくよく、大酒飲み、仕事嫌い、かっぱらいの連中に人望が厚かったのだろう。
(中略)ポンペイの民衆たちはこうした悪ふざけをしながら、日ごろの憂さを晴らしていたのかもしれない。(P.47)
という解説が良かったです。

剣闘士の対戦を描いた落書きも多く残っているようで、この投稿の一番上のイラストは、対戦の様子を描いたものだと思われます。この本に挿絵で載っていたものですが、wikipedia commonsで見つけたのでお借りしました。絵のゆるさが実に良いです。

すぐれた剣闘士は大スターで、特に若い女性のあこがれの存在であったようです。
「娘たちのため息であるトラキア闘士ケラドゥス」(P.90)
「網闘士クレスケンスは少女たちの癒し手」(P.91)
などの落書きが残っているのだそう。

何気ない日常生活に関する落書きもたくさん残っていて、幸運を望む声や罵詈雑言や皮肉などが書かれています。
「オッピウスよ、狂言者にして、盗人、こそ泥。」(P.118)
「最低、役立たず。」(P.119)
「お前に災いあれ。」(P.119)
「お前が十字架に磔にされるように。」(P.119)
などなど、罵詈雑言は特におもしろいです。今の人がネットで憂さ晴らしするような感じでしょうか。

「プシナよ、たくさんの男がお前を愛している、でも、誰よりもことさら愛していたのはキトゥスなんだ。」(P.144)
のように、男女の愛やいざこざを書いたものももちろんあり、特に好きなのは、
「愛する者は誰でも死んでしまえ。」(P.135)
恋愛がうまく行かなかったのでしょうか。
2000年も前の人なのに人間臭くて親近感を覚えてしまいます。

紹介したいものはまだまだたくさんあるのですが、きりがないのでこの辺で。
この何気ない日常生活が、数年後にはすっかり埋もれてしまうのだと思うと、心が痛いですが、そのおかげで、2000年前の人の日常生活をこんなに身近に知ることができているのでありがたいです。


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2018年3月5日

大河の参考書買った-徹底図解シリーズ「幕末・維新」と「戦国時代」

今年のNHKの大河ドラマ「西郷どん」と、「風林火山」のBSの再放送を楽しく見ています。

戦国物も詳しく知らないけれど、幕末物はもっと知識が頭に入らなくて楽しめないので本を買うことにしました。




どちらも中古で1円の時に買ったのですが、なかなか良い本です。西郷どんが始まってから幕末の方が少し値上がりしているみたいです。

まず、「徹底図解」というだけあって絵や図が多いし、しかもカラーです。
こちらは幕末の方。幕末は登場人物が多いので、こういった人物相関図はありがたいです。



絵だけではなく、説明文も要点がしっかり載っています。
詳しすぎる解説文は挫折してしまうけれど、ちょうど良い文章量で、仮名も振ってあるので気軽に読めます。
ミニ知識なんかもちょこちょこ載っていて楽しいです。



こちらは戦国時代の方。左上が主役の山本勘助です。幕末の方にも言えることですが、人物のイラストが無駄にかっこいいです。



戦国時代の方も同じような構成です。
こちらも豆知識がなかなかおもしろいです。
真田丸の時に買っていればもっと楽しめたのにと後悔。。






日本史全体を通して眺めるならこちらの本がおすすめです。
視覚的な資料がぎっしり載っています。







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2017年5月9日

井伊直虎ゆかりの龍潭寺、その後犬山城へ行ってきました



井伊直虎ゆかりの龍潭寺へ

GW中に夫の運転で奈良から日帰りで行ってきました。

朝6:00頃奈良・斑鳩を出発。天理ICから名阪国道→東名阪→伊勢湾自動車道→東名高速を通り、三ヶ日ICで降り、湖側を通るルートで龍潭寺へ。

早朝だったせいか高速道路もほとんど渋滞なく、三ヶ日ICを降りてからは、のどかな田舎道で、天気も良く、時折見える湖面がキラキラしていて、のんびり快適なドライブ。
全然混んでくる気配もないし、拝観開始時間の9:00ジャストに到着しそうだし、完璧やん♪と浮かれていたら、龍潭寺の駐車場はすでに満車。。。あわてて少し先の井伊谷宮へ進むと、辛うじて1台分のスペースを発見。なんとかウロウロせずに車を停めることができました。

龍潭寺へ向かうと、すでに長蛇の列が。。。


団体バスツアーの方が結構来られているようでした。列に続いて中へ入ってからもずっと大混雑。「秋に来た時は数えるほどしかいなかったのになあ。」という声が聞こえてきました。大河効果恐るべし。

仏像さんも心なしか困惑気味。


井伊家赤備え具足。こんなにきれいな状態で残っているなんて。


庭園は音声案内付きでした。


外から見た本堂。


仁王門。


人のお墓の写真撮るのもどうなのかとは思いましたが・・・
左奥から2番目が直虎さんのお墓だそうです。


お手入れが行き届いていて、風情のあるお寺でした。特に庭園が素晴らしかったです。ここが関西だったら、大河関係なく、静かになったころにまた訪れたかった思いました。


幼少期のロケ地天白磐座遺跡へ
境内を一通り回った後、天白磐座遺跡へ。「てんぱくいわくら」と読むらしいです。龍潭寺に置いてあった探訪MAPによると、古墳時代から鎌倉時代まで祭祀場だったと考えられる場所で、土器や祭具が多く発見されているのだそう。直虎の幼少期のロケ地だというので行ってみました。(そのシーンはあまり覚えていませんが。。。)

龍潭寺から徒歩10分強ぐらい。
途中、直虎さんが晩年を過ごしたとされる妙雲寺がありました。


比較的最近開発された感じの住宅地を抜けると、天白磐座遺跡へ続く神社の入り口がありました。隣の空き地(?)ではご老人方がゲートボールに興じておられ、なんだか思ってたのと違うなーと思いつつ、中へ進むと、ちょっとした非日常的な空間が広がっていました。


巨大な岩を中心に、石がたくさん転がっていました。
ここだけ空気が違う感じがします。
まさにパワースポットという感じです。




賽銭箱があったので、お賽銭を入れてきました。いいことありそうな気がします。
観光客の方も少なく、穴場かもしれません。



井伊氏発祥の井戸へ
一旦龍潭寺へ戻り、井伊氏発祥と伝わる井戸へ向かいました。
(ドラマの中で度々登場するあの井戸だと思われます。)
井戸は田んぼの真ん中にぽつりとありました。遠くから見ると、田んぼの真ん中へ行列が連なる不思議な光景です。


覗くと思ったより浅く、硬貨が数枚投げ入れられていました。


井伊谷城址や井伊氏居館跡など、見たいところは他にもありましたが、なんせ日帰りなので、直虎ツアーはこれで終了。



「さわやか」はあきらめて浜名湖SAへ
ちょうどお腹も減ってきたので、噂の「さわやか」の本店へ向かいました。・・・が、駐車場のガードマンのお兄さんに3時間待ちといわれ泣く泣く断念。GWだからなのか、普段からなのか、すごい人気なんですね。

あきらめて高速に乗り、浜名湖SAで「八丁味噌どて温玉丼」というのを頂きました。これがなかなかおいしかった♪



犬山城へ

昼食を終え、帰るにはまだ早かったので、急遽愛知県の犬山城に寄ってみることに。
織田信長の叔父さんの織田信康が改修して建てた国宝五城の一つだそうです。
高速で小牧ICまで渋滞することもなく快適なドライブ。IC降りてからも、渋滞にはまることもなく犬山城周辺まで移動できたのですが、第1から第3駐車場まですべて満車。。途方に暮れていると臨時駐車場への案内標識を発見。ぐるぐる回ってなんとか停めることができました。
が・・・天守閣に登るのに1時間待ち。。。せっかくなので頑張って並びました。


でもその甲斐あって素晴らしい体験ができました。
最上階からの眺めは絶景でした!




でも怖かった!!
階段は狭いし急だし、最上階は外に出て一周できるのですが、手すりが低いので足がすくみっぱなしでした。
四つん這いで移動したいくらいでした。誰も落ちたことないんだろうか・・・



ところで、お城と言えば年配の男性の趣味というイメージが強かったのですが、若いカップルや女性の友達連れの姿が目立ったのが意外でした。ゲームとかの影響なんでしょうか??歴史的な物がブームになるのは嬉しいことです。

関西人なのにまだ姫路城に行ったことがないので次は姫路城に行ってみたいです。

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2017年4月20日

急激に睡魔に襲われるASMRの不思議

ASMRがどの程度メジャーなのかは知りませんが、私はつい数か月前に知りました。

wikipediaではこんな風に説明されています。
Autonomous Sensory Meridian Response (ASMR) は、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、頭がゾワゾワするといった反応・感覚(正式な・あるいは一般的な日本語訳は今のところ存在しない)。

例えばこの動画をイヤホンで聞くと、私の場合、頭の奥がぞわっとして睡魔が襲ってきます。



ただひたすら石鹸を削っているだけの音なのですが、特殊な方法で録音されているため、耳のすぐ横で削っているような錯覚に陥ります。

私は昔から太鼓のような一定のリズムの音や、一定速度で排出される印刷物の音、遠くで聞こえる工事の音など、ある特定の音を聞くと頭がぼーっとなって眠くなってくるのですが、これが何なのかずっと不思議に思っていたのです。ASMRのことを知った時、これかあ!と納得しました。

どの音に反応するのかは人それぞれだなのだそうで、まったく反応しない人もいるそうです。夫に試したら何も感じない言われました。
脳の中で何が起きているのか、まだ科学で解明されていないそうで、それもまた興味深いです。
ややアダルトチックなネーミングが付いていたりもするようですが、脳内物質的には関係あるのかもしれません。
私は母胎にいた時の音と関係あるのかなあなんて思っているんですが。。

たくさんのASMR動画がアップされていますが、ひたすら石鹸を削ったり、ひたすらシェービングクリームを混ぜたりしているだけの動画なのに視聴回数800万回とかいうのが、冷静に考えるとおもしろいです。

この動画なんて、パッケージから中身を取り出して並べていっているだけなのに!こういうカサカサした作業音に反応する人も結構いるみたいです。私もです。



気持ちよく眠りに入れるのでつい依存してしまいそうになるのですが、毎日のように視聴していると、だんだん耐性ができて効き目がなくなってくるんだそうです。

こちらの記事によると、そんな時は、1~2週間程視聴をやめるとまた感覚が戻ってくるんだそう。
Watching too many YouTube videos could be killing the 'brain orgasm' and desensitize people | Daily Mail Online

なんとも不思議ですね。。

2017年3月29日

桜の様子を見に法隆寺へ 2017

今年はなかなか暖かくならないし、まだまだ咲いてないんだろうなー、でもちょこっとぐらい咲いてたりして・・・
と淡い期待を胸に、法隆寺まで歩いてみました。

結果はご覧の通り。まだまだでした。


ほとんどこんな感じなのですが、今にも咲きそうな蕾も見かけました。

これなんてあともう一息という感じです。


来週はようやく暖かくなりそうだし、いよいよ咲き始めるのかな?
楽しみです♪

ちなみに今、中門(金剛力士像が立っている門)が工事中で、上から工事用のネット(?)で覆われているので、ちょっとがっかりかもしれません。
公式サイトによると、修理が完了するのは平成30年度だそうです。

追記(2017/4/6)
ちらっと寄ってきました。
場所によってはかなり咲いていましたがまだ5分咲きぐらいかな?これから本番といった感じです。




そういえば、あさって4月8日は花まつりの日ですね(お釈迦様の誕生日)。
法隆寺食堂(じきどう)で法要があるそうです。普段は公開されていない食堂へ入れるのです。
行ってみたいと思いつつまだ一度も行けていないのですが。。。