2015年6月3日

アンジュール―ある犬の物語

立ち読みですが泣きました。

ふと立ち寄った本屋で、大人の絵本特集というコーナーが設置されていて、その中に「アンジュール―ある犬の物語」とう本があったんです。

文字のない、素早く書きなぐったようなデッサンだけの絵本です。

走行中の車から一匹の犬が放り出されるところから物語が始まります。
犬は必死で飼い主が乗った車を追いかけます。
全速力で追いかけますが、とうとう見失ってしまいます。
呆然と立ちすくみ、やがてふらふらと歩きだしたところで、車同士の事故を引き起こしてしまいます。
緊迫した空気。人だかりと渋滞。泣き叫ぶ人。
耳もしっぽも垂れ下がり、うなだれた様子で振り返るアンジュール。
表紙に使われているのがこの場面です。

とぼとぼと一人ぼっちで彷徨い続けるアンジュール。
アンジュールの孤独な心が胸に突き刺さります。

そして最後に、一人ぼっちの少年に出会います。
孤独な少年と孤独なアンジュールが心を通い合わせ始める瞬間で物語は終わります。

良かったね、アンジュール・・・(涙)
号泣したいところでしたが、耐えました。
絵本のコーナーで号泣してたらさすがにヤバいかな・・・と。


書きなぐったようなデッサンなのに、描写力が素晴らしく、目の前で動いているかのようです。
犬好きの人にはたまらない絵本だと思います。


ガブリエル バンサン
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