2014年8月4日

心がざわざわするヴァロットンの絵

デ・キリコの「通りの神秘と憂愁」を見た時のようなざわざわ感があります。
Félix Vallotton - The Ball - Google Art Project

2014年9月23日まで三菱一号館美術館で「冷たい炎の画家 ヴァロットン展」という美術展が開催されているそうです。
ヴァロットン展 ―冷たい炎の画家 三菱一号館美術館(東京・丸の内)

私は、このヴァロットンという人を今まで知らなかったんですが、公式サイトの「本展の見どころ」のページに、
胸騒ぎのする風景、不安な室内、クールなエロティシズム―。まるで解けない謎のように重層的な彼の作品は、観る者に様々な感情を抱かせます。
と書いてあるとおり、どの絵もなんだか落ち着かない奇妙な感じがする絵ばかりで、興味津々になりました。

wikimedia commonsに載っていたものから数点お借りしてみました。
どの絵も明るい解放感とか幸福感とか快活さみたいなものがまるでありません。
何気ない風景画も、何かが起こる前の静けさのような不安な感じがします。

Félix Vallotton, La plage à Honfleur, 1919. Oil on canvas, 54 x 81 cm.

Félix Vallotton - Das blühende Feld

Félix Vallotton Les Alyscamps soleil matin

Félix Vallotton - Ansicht von Honfleur, Sommermorgen

何を見ているんでしょうか?手前の金髪女性の表情が何とも言えません。
というか、絵全体的に何とも言えない雰囲気です。
Le Bain turc - Félix Edouard Vallotton

密会でしょうか。良からぬ雰囲気がします。
Felix Vallotton Interior with Couple and Screen (Intimacy)

個人的には、公式サイトの「本展の見どころ」で紹介されている「貞節なシュザンヌ」という絵の女性の表情が好きです。


画集が出ていました
著:Nathalia Brodskaia
出版社:Parkstone Pr
発売日:2014/05/19
Amazon.co.jpで詳細を見る

こちらの記事もどうぞ