小説はあまり読まないのですが、
作者の森見登美彦さんが奈良県出身の人だということを知り、
興味を持ったので、図書館で探してみたらこの本に辿りつきました。
内容は、京都の貧乏学生が真夏の四畳半を舞台に繰り広げる、
どうでもいい阿呆な日常といった感じです。
いきなりこんな調子で始まります。
畏れ多くも余がしろしめす王国はいわゆる四畳半であり、その国土は本棚一杯の書物、鉄道模型地球儀招き猫怪獣人形等の国宝の数々と、パソコンおよび猥褻物から成る。猥褻物と言えば、なによりも余自身が猥褻である。なにせ鉢巻をのぞけば全裸なのであるから。
1章はこんな感じで延々と続きます。
「ああもうっ!うるさいわっ!」
と思わず本の中でしゃべっている男に向って言いたくなります。
でもその阿呆らしさにぐいぐい引かれて最後まで読みきってしまいました。
小難しい言い回しで淡々と話されると、
なんか物凄い話をしているみたいに思えるけど、
よくよく考えてみると、どうでもいい話だった。
全体的にそんな雰囲気のお話でした。
章ごとにいろんな人や団体が出てくるのでそれぞれ違う話なのかと思いきや、
意外なところで繋がっていたりして、「ああ、この人さっきのアレかあ」
となるところがおもしろかったです。
おもしろかったけど、登場人物が多くてちょっと難しいなと思っていたら、
他の著作を先に呼んだほうがわかりやすい、というレビューがあったので、
なるほど、と思いました。
関係ないけど、ちょっとトキワ荘を思い出しました。
ところで、著者の森見登美彦さんの講演会が、
奈良県生駒市の図書館で開催されるそうです。
「『ペンギン・ハイウェイ』のできるまで」
2013年3月16日(土)/無料/400人(申込順)
詳しくは生駒市公式HP
→http://www.city.ikoma.lg.jp/event/detail7252.html
受付開始日は2月13日だったみたいなので、もう遅いのかな?