2013年1月28日

驚きの『刑務所の中』での生活

先日テレビをつけたらたまたまこの映画をやっていました。
刑務所の話なんて気が滅入りそうだし、
最後まで見るつもり全然なかったんですが、
見ているうちにずるずると引き込まれ、
最後までどっぷりと見てしまいました。
おもしろかった~!

銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反で懲役3年を受けた、
漫画家の花輪和一さんの刑務所での生活が淡々と描かれたものです。
刑務所での生活、なんて聞くと、
『グリーンマイル』とか『ショーシャンクの空に』のイメージが強いせいか、
殺伐とした生活を想像してしまいますが、
この映画の中での日々は、本当に拍子抜けするほど淡々と過ぎていきます。

主役の山崎勉さんをはじめ、香川照之さんや、松重豊さん、大杉漣さんなど
役者さんたちの演技がまたいいんです。
ちょっと足を踏み外してしまった普通のおじさんを淡々と演じておられて、
それがなんか妙におかしいのです。

刑務所内では自分の意思というものは存在せず、
規律に沿って看守の指示通りに進んでいきます。
ヘマをすると独房に入れられますが、それほどの悲壮感はなく、
独房の中で与えられた作業を淡々とこなします。

食事も質素ではあるけど普通の食事が与えられ、
お正月などは特別メニューもあったりします。
ただし甘いものはめったに食べられないようで、
数ヶ月に1度『集会』で出るチョコレートや、
つぶあんとバターが出る『パン食』を皆心待ちにしています。

この、つぶあんとバターを塗ったパンを食べるシーン、
皆陶酔したような顔で食べるので、無性に食べたくなりました。
小倉&ネオマーガリン。
昔好きでよく買って食べたけどまだあるのかな。

大の大人が、チョコレートを食べられる『集会』を待ち焦がれたり、
正月メニューに思いを馳せたり、
楽しみがほとんど無い環境ではみんなこうなっちゃうのかなあ。

生活の全てを人に決められるって、どんな感じなんだろう。
こんな情報が溢れる世の中で、
毎日何かしら取捨選択を迫られる日々を送っていると、
指示通りに過ごしていれば生活が保障されるっていう状態が、
ちょっとうらやましかったり。

なんて、不謹慎なことをチラっと思ってしまいました。

監督:崔洋一
発売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2003/08/22
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こちらは原作の漫画です

著:花輪 和一
出版社:講談社
発売日:2006/05/12
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