John Tenniel [Public domain], via Wikimedia Commons
先日ムーミンの挿絵の記事を書いた時に、
本棚の奥から引っ張り出してきた「ふしぎの国のアリス」。
偕成社文庫の1986年16刷のものです。
せっかく出してきたのだからと、久しぶりに読み返してみたのですが、
これが何だかとても難しいのです。
というのも、最後の解説ページにも書いてあるように、
『ふしぎの国のアリス』の世界は、<ことば>が先行し、支配している世界であり、駄洒落や単語の入れ替えによることば遊びのようなものがたくさん出てきて、
それを無理やり和訳しているせいもあって、
もう、何がなんだかわからない箇所だらけなのです。
登場人物(登場動物?)たちの行動や物語の展開も唐突でわけわからんし、
会話のやりとりもわけわからん。
脈絡のない夢を見ているような雰囲気です。
これを子供の頃によく理解できたな、と思うのですが、
逆にこのわけのわからなさが、
ジョンテニエルの挿絵の何ともいえない雰囲気にぴったりハマって、
いまいち理解できなくても相当インパクトがあったのかもしれません。
この本自体、初版が1979年のものなので、
文章の雰囲気がちょっと古く、それがまた良いです。
(ちなみに『き○がいティー・パーティー 』 のように、
NGワードがさらっと入っていて、ちょっとドキっとします。。)
出てくる動物や虫たちが、人間臭くてちっともかわいげがありません。
それもまたいいです。
ああ言えばこう言う、あげ足とりのイモムシじいさん
By Sir John Tenniel (“Alice’s Adventures in Wonderland” (1865))[see page for license],
via Wikimedia Commons
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“笑わない猫”ならぬ“猫のない笑い”
John Tenniel [Public domain], via Wikimedia Commons
サカナ召使いとカエル召使いのもったいぶったやりとり
By Sir John Tenniel (“Alice’s Adventures in Wonderland” (1865)) [Public domain], via Wikimedia Commons
最後にふりむいたときには、ふたりがかりでネムリネズミをお茶のポットにおしこもうとしているのが、アリスの目にうつりました。って、なぜ!?
Lewis Carroll [Public domain], via Wikimedia Commons
実はほとんど読んでいない英語バージョンも持っているのですが、
これを機にがんばって読んでみようかな。
そしたらことば遊びをもっと楽しめるかな。
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