2012年6月17日

不思議の国のアリスを久しぶりに読んでみた

John Tenniel- Alice's mad tea party, colour

先日ムーミンの挿絵の記事を書いた時に
本棚の奥から引っ張り出してきた「ふしぎの国のアリス」。
偕成社文庫の1986年16刷のものです。

せっかく出してきたのだからと、久しぶりに読み返してみたのですが、
これが何だかとても難しいのです。
というのも、最後の解説ページにも書いてあるように、
『ふしぎの国のアリス』の世界は、<ことば>が先行し、支配している世界
であり、駄洒落や単語の入れ替えによることば遊びのようなものがたくさん出てきて、
それを無理やり和訳しているせいもあって、
もう、何がなんだかわからない箇所だらけなのです。
登場人物(登場動物?)たちの行動や物語の展開も唐突でわけわからんし、
会話のやりとりもわけわからん。
脈絡のない夢を見ているような雰囲気です。

これを子供の頃によく理解できたな、と思うのですが、
逆にこのわけのわからなさが、
ジョンテニエルの挿絵の何ともいえない雰囲気にぴったりハマって、
いまいち理解できなくても相当インパクトがあったのかもしれません。

この本自体、初版が1979年のものなので、
文章の雰囲気がちょっと古く、それがまた良いです。
(ちなみに『き○がいティー・パーティー 』 のように、
NGワードがさらっと入っていて、ちょっとドキっとします。。)

出てくる動物や虫たちが、人間臭くてちっともかわいげがありません。
それもまたいいです。

ああ言えばこう言う、あげ足とりのイモムシじいさん
Alice 05a-1116x1492

“笑わない猫”ならぬ“猫のない笑い”
Cheshire Cat vanishing (detail)

サカナ召使いとカエル召使いのもったいぶったやりとり
Alice 06a

最後にふりむいたときには、ふたりがかりでネムリネズミをお茶のポットにおしこもうとしているのが、アリスの目にうつりました。
って、なぜ!?
De Alice's Abenteuer im Wunderland Carroll pic 27

実はほとんど読んでいない英語バージョンも持っているのですが、
これを機にがんばって読んでみようかな。
そしたらことば遊びをもっと楽しめるかな。


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