2012年6月2日

『李白の月』の奇妙な世界にハマる

こんな本を読みました。

著:南 伸坊
出版社:筑摩書房
発売日:2006/04
Amazon.co.jpで詳細を見る


もう、これは大好物です。
中国の古い怪談を、南伸坊さんが独特のタッチで短編漫画にされたものです。
怪談と言っても、おどろおどろしいものではありません。
アヤシくて奇想天外なお話がこれでもか、と続きます。


単純な線で描かれた白黒の絵なのですが、その単純さが逆にインパクトがあり、
奇妙な世界にすーーっと引っぱられて、唐突に放り出されるのです。

北斗七星が実は豕(いのこ)だったり、耳の中に亡者が入り込んで魂を押し出してしまったり、そしてその魂の形はヒキガエルのようだったりします。
「落頭民」という人種がいて、眠ると首だけ抜け出してふらふらさまよったりします。

各漫画の後の伸坊さんの解説がまた相当おもしろいです。

一番好きなのは最後の「花魄(かはく)」の章で、
大食国という国に、人の顔のような花を咲かせる樹があって、
話しかけたらよく笑い、笑いすぎるとしぼんで落ちてしまうというお話。
なんともかわいらしい。


あとがきを読むと、この本の前に「仙人の壷」という本が出ているらしいのです。
さっそくアマゾンで調べてみたら、中古で、しかも「非常に良い」のがなんと2円で売ってたので、早速発注し、

昨日届きました!

こんな状態のいいものが送料込みで252円で買えるとは。
南伸坊さんに申し訳ないような気になります。

で、早速読破しました。おもしろかった!
李白の月より、描写が細かい感じがします。
妖しさと唐突さは李白の月の方が上かな?

これを気に、中国の伝奇を読んでみようかと思います。

追記(12/6/23):読んでみました。
不思議の話、「聊齋志異」を読んでみた


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