2014年11月1日

大雨の後にぽっかり空いた穴は、ピラミッドへ繋がっていた

Teotihuacan - Pyramid of the Sun
(※写真はWikimediacommonsよりお借りした太陽のピラミッド )

先日、NHKで「謎の古代ピラミッド~発掘・メキシコ地下トンネル~」
という番組をやっていました。
謎に包まれていたメキシコの古代遺跡テオティワカンで、
現在メキシコ政府を上げて発掘作業が進んでいるのだそうです。
発掘場所は、テオティワカンの3つの巨大ピラミッドのうち、
ケツァルコアトルのピラミッドと呼ばれるものの下に発見された地下空間です。
そこへ世界で初めてNHKのカメラが入ったのだそう。

きっかけは2003年、大雨の後、
ケツァルコアトルのピラミッドの前に空いた大きな穴でした。
それは人が一人やっと通れる程の人工的な穴で、
降りてみると土砂に埋まったトンネルが現れたのです。
トンネルはピラミッドの方向へ続いてました。
調査の結果、トンネル内には、何と1800年もの間人が立ち入った形跡がなく、
封印されたままになっていたことがわかりました。

2009年から大規模な発掘作業がスタートしました。
トンネルを奥へ進むと、古代人が掘った跡だと思われる手の型が残っていたり、
木片、カリブ海に生息する巻貝、翡翠など、さまざまなものが出土しました。

さらに奥へ進むと、行き止まりらしい地点に到達します。
そこはなぜか上から見ると十字型になっていて、
十字の中心位置がケツァルコアトルのピラミッドの中心位置に
ピタリと重なることがわかったのです。

深い地層を掘ってみると、大量の土器や石像、太陽の象徴とされるゴムボール、
朽ちた木の箱が見つかりました。
この木箱が重要人物の棺である可能性が高まり、現在調査が続けられています。

そして驚くことに、トンネル内はかつて水で満たされていたことがわかりました。
この地には「地下には水で満たされた冥界が広がっている」
という神話が伝えられていることもあり、
このトンネルは冥界を表しているのではないか、という仮説が立てられました。

「トンネルの入り口は西。ピラミッドは東。
太陽が西から沈み、冥界であるトンネルの中を通って再び東から再生する。」

1800年の封印が解かれたトンネルと大量の出土品。
今発掘作業の真っ最中という事で、
これからもっといろんな事がわかってくるのかと思うとわくわくしますね。

発掘作業の様子がYoutubeにアップされていました。



この番組内で登場された考古学者杉山三郎さんの本を発見


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